門付けを行う傀儡子
くぐつし
傀儡子の像は、漂泊を常として季節や祭礼に応じ社頭・市庭へ現れ、木偶や滑稽、剣舞・相撲など多芸を披露する姿に集約される。古記録には弓馬に長じ、二剣を手玉に取り、七玉を操るなど妙技が見え、木人を操り舞わせて観者を驚かせたとある。女性の傀儡女は歌や舞に巧みで、禊・祓いに関わる観念も伴った。後世、寺社の散所に結びつき、えびすを称える芸能や操り人形の座に連なり、猿楽・神楽・人形芝居の源流とみなされる。公家・武家の保護を受けた例もあり、歌謡や語り物の伝承に寄与した。妖怪としては、人ならざる境に立つ漂泊者像として語られ、村境や社前に忽然と現れて芸を納め、福銭や口上を残して去る存在と解されることがある。民俗的には被差別や散所制度、神事芸能との関係が注記され、創作を交えずとも漂泊と芸能の力が人の世と異界をつなぐ媒介として理解されてきた。
著者: 武田完二 著
年代: 1934年8月
出版社: 大同館書店
参照: pp.44-48
融通無碍・福を呼ぶが距離を保つ
祭礼・市日のにぎわいと相性が良い
評価スコアと信頼度を可視化
詳しい相性診断は下記のテストで確認できます
喜びと楽しさの程度
📝 メモ:
笑いと祝祭を呼ぶ芸能(えびす舞・滑稽・玉乗り等)で場を明るくする。
怒りの激しさの程度
📝 メモ:
怒りを示す伝承はほぼなく、芸能者としての柔軟さが前面。座や支配への反発は語られにくい。
慈悲深さの程度
📝 メモ:
市庭や正月に福を授ける社会的互酬の性格があり庶民に与するが、職能的で個別救済性は薄い。
憂鬱で思慮深い程度
📝 メモ:
漂泊・被差別の影が背景にあるが、物語上は陽性の祝祭性が強く憂愁は前景化しない。
内なる平静の程度
📝 メモ:
流転の生で静謐は高くないが、儀礼芸能・祓いに伴う安定感が一定程度ある。
いたずら好きで活発な程度
📝 メモ:
滑稽・変幻の戯・木偶舞など遊芸性が本質。観者を驚かせ笑わせる。
やさしく親しみやすい程度
📝 メモ:
福を授くる門付けや祝言芸が多く、観者に親和的。ただし漂泊者として距離を保ち、関係は一過性。
厳格で真面目な程度
📝 メモ:
座や社家の規律に従う側面はあるが、性格は融通無碍で厳格一辺倒ではない。技芸の鍛錬ゆえの規律は中程度。
他者を守る傾向
📝 メモ:
直接守護するより福徳招来・厄払いを行う間接的加護が中心。番護の逸話は乏しい。
神秘的で不思議な程度
📝 メモ:
村境・社頭に忽然と現れて福銭や口上を残すなど、現れ方が境界的で神秘性が高い。祓い・禊観念も付随。
精神的境界の深さ
📝 メモ:
祓い・禊・門付け、えびす信仰との結合、境界者として人と異界を媒介する機能が霊性的。
定住を嫌い長逗留をしない, 社家・座の支配に左右されやすい, 荒天・飢饉時の興行不振
傀儡子と性格や特徴が似ている妖怪たち
💡 相性度は性格や特徴の類似性に基づいて計算されています