傀儡子
稀少
伝統妖怪

傀儡子

くぐつし

又称・別名

くぐつ
かいらいし
傀儡師(かいらいし)
傀儡女(くぐつ め)

性格

融通無碍・福を呼ぶが距離を保つ

カテゴリ

人ならざる者・芸能民譚

起源

西国各地(とくに摂津国西宮)

基本説明

傀儡子は、木偶(人形)や雑芸をもって諸国を渡り歩いた漂泊の芸能集団の呼称。平安期の記録に早く、弓馬や狩猟にも通じ、女は歌や遊芸に巧みであったとされる。のち寺社に所属する散所民として神事芸能や市庭で芸を行い、人形芝居・猿楽・神楽など後世の芸能に影響を与えた。女性は傀儡女とも呼ばれた。

民話・伝承

大江匡房『傀儡子記』には、住居を定めず水草に随って漂泊し、弓馬・玉投げ・木偶舞・変幻の戯をなし、節句や市・社頭で芸を売る姿が記される。西宮では正月に家々を廻って福を授くる芸を見せ、えびす舞の一座として知られたという。中世には一部が土着し、寺社の保護を受けつつ、操りや語り物の系譜を後世へ伝えたと伝わる。

徹底解説

傀儡子 傀儡子(伝統像)

傀儡子の像は、漂泊を常として季節や祭礼に応じ社頭・市庭へ現れ、木偶や滑稽、剣舞・相撲など多芸を披露する姿に集約される。古記録には弓馬に長じ、二剣を手玉に取り、七玉を操るなど妙技が見え、木人を操り舞わせて観者を驚かせたとある。女性の傀儡女は歌や舞に巧みで、禊・祓いに関わる観念も伴った。後世、寺社の散所に結びつき、えびすを称える芸能や操り人形の座に連なり、猿楽・神楽・人形芝居の源流とみなされる。公家・武家の保護を受けた例もあり、歌謡や語り物の伝承に寄与した。妖怪としては、人ならざる境に立つ漂泊者像として語られ、村境や社前に忽然と現れて芸を納め、福銭や口上を残して去る存在と解されることがある。民俗的には被差別や散所制度、神事芸能との関係が注記され、創作を交えずとも漂泊と芸能の力が人の世と異界をつなぐ媒介として理解されてきた。

性格特徴については、融通無碍・福を呼ぶが距離を保つまた、相性の良い人については、祭礼・市日のにぎわいと相性が良い

主な能力・特技としては、木偶を操る妙技、玉投げ・剣の手玉、歌・今様・語り物の唱和、福徳を招くえびす芸、社頭での祓いと門付けなどが挙げられます。

一方で弱点もあり、定住を嫌い長逗留をしない, 社家・座の支配に左右されやすい, 荒天・飢饉時の興行不振とされています。

主な生息地は社頭・門前町, 宿場・市庭, 河原・辻・村境とされています。

下図は傀儡子(伝統像)の診断評価図です。各項目の値が高いほど、その特性が強く表されていることを示しています。

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