くだん
江戸後期、瓦版・版本を通じて流布した件像。人面牛身で、出現ののち予言を述べ、まもなく絶命するとされる。天保期の瓦版には丹後出現譚が見え、豊凶や厄除の効験が強調され、件の図像を掲げることが推奨された例もある。一方、越中国立山の「くたべ」は1820年代以降の記録に現れ、女面や老人面、鋭い爪、胴体に目が描かれるなど像容に幅がある。両者は予言・疫病除けの効用を語られる点で通底し、災厄期に流布が増す傾向が指摘される。証文末尾の定型句「件の如し」と怪物「件」を同一由来とする俗説は、語の歴史(中世以前の用例)から否定的に見られる。民俗的には、出現・告知・短命・図像護符化という定型が核であり、具体の地名・年代や効験の内容は史料により異同が大きい。
寡黙で端的に告知する
農事・疫病予兆に関わる話題と親和
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出現後に短命である, 像容・言説が史料により揺れるため信憑の定着に乏しい