小玉鼠
一般
伝統妖怪

小玉鼠

こだまねずみ

性格

人を避けるが兆しとして現れる

カテゴリ

山の怪・精霊

起源

秋田県北秋田郡

基本説明

小玉鼠は、秋田県北秋田郡のマタギに伝わる山中の怪。外見はハツカネズミやヤマネに似た小獣で、体は球状に近い。人に出会うと立ち止まり、みるみる膨張し、鉄砲のような轟音とともに破裂して肉片を散らすとされた(破裂せず大音響のみを発する説もある)。この出会いは山の神の怒りの兆しとされ、遭遇した猟師は直ちに猟をやめて山を退いた。

民話・伝承

マタギの間では、遭遇は山の神の警告で、無理に猟を続ければ獲物は得られず雪崩などの災難に遭うと忌避された。祟りを受けた者は家で「ナムアブラウンケンソワカ」と唱えて祓うという。小玉流のマタギ七人が山の神の罰により小玉鼠となったとする説も伝わる。また、冬眠中のヤマネを掘り起こした罪悪感が怪異譚の背景にあるとの見解もあるが、由来は不詳とされる。

徹底解説

小玉鼠 小玉鼠(伝承標準)

北秋田のマタギ社会で語り継がれた山中の怪異像を、狩猟儀礼と禁忌の文脈で整理した版本。姿はヤマネや小鼠に似て丸く、小柄で素早い。人と対面すると突如として膨張し、鉄砲の発砲のような一撃の轟音を放つ。多くの語りでは自ら破裂して肉片と内臓を飛散させるが、別伝では破裂せずに跳ね回りつつ破裂音だけを響かせるという。いずれも出会いは山の神の怒り・警告を示す凶兆で、目撃後の猟は中止が定法とされた。続行すれば収獲は絶え、悪天候や雪崩に見舞われると恐れられた。祟りの避け方としては山を下り、家で「ナムアブラウンケンソワカ」と唱えて身を清める。起源については、小玉流の七人のマタギが罰を受けて小玉鼠となったとする語りがある一方、冬眠中のヤマネを掘り起こした行為が禁忌意識を喚起し怪異譚に昇華したとの解釈も示される。具体の年代・典拠は不詳で、語りは口承が主である。

性格特徴については、人を避けるが兆しとして現れるまた、相性の良い人については、山の神への畏れを忘れぬ者と相性が良い

主な能力・特技としては、膨張して大音響を発する、自爆的に破裂して周囲を穢す、凶兆として狩猟運を枯らすなどが挙げられます。

一方で弱点もあり、山を下り祓いの言葉を唱えると影響が薄れる, 無闇に追わず対峙を避けると被害が少ないとされています。

主な生息地は秋田県北秋田郡の山中, 積雪期の樹間・薮とされています。

下図は小玉鼠(伝承標準)の診断評価図です。各項目の値が高いほど、その特性が強く表されていることを示しています。

小玉鼠(伝承標準)についてさらに詳しい情報や診断結果については、こちらをご覧ください。

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