金かな霊だまと金かね玉だまの不思議ふしぎな冒ぼう険けん

はじまり

むかしむかし、日本にほんの小ちいさな村むらに、金かな霊だまと*呼[よ]ばれる不思議ふしぎな精霊せいれいが住すんでいました。この金かな霊だまは、善よい行おこないをしている家いえに、金かね銀ぎん財ざい宝ほうをもたらすと言いわれていました。

物語ものがたりの展開てんかい

ある日ひ、村むらの外そとれた場所ばしょで、金かな霊だまと金かね玉だまが会あいました。金かな霊だまは金きん色いろの光ひかりを放はなち、金かね玉だまは手て毬まりのように転ころがっていました。村人むらびとたちはこの光ひかりを見みて、大おお急いそぎで家いえの中なかに招まねき入いれました。

金かな霊だまは、やさしい心こころを持もつ家いえに金かねの気きをくれる存在そんざいで、村むらの人々ひとびとはしばしば金[かね]玉[だま]をもてなし、家いえの中なかで静しずかに光ひかりを放はなたせました。しかし、欲[よく]深[ぶか]い者ものには見[み]向[む]きもしませんでした。

クライマックス

ある晩ばん、村むらで大おおきな宴うたげが開ひらかれ、金[かね]玉[だま]も招まねかれました。金[かね]玉[だま]は、美うつくしい光ひかりを放はなち、村むらの人々ひとびとは幸しあわせな気持きもちでいっぱいになりました。その時とき、突然[とつぜん]金[かね]玉[だま]がふわりと宙ちゅうに浮うき上あがり、村[むら]全体[ぜんたい]を優やさしく照てらし始はじめました。

結末けつまつ

金[かね]玉[だま]の訪おとずれた家いえは、次つぎの日ひから商売しょうばいが繁盛はんじょうし、人々ひとびとはますます幸しあわせに暮くらしました。村人むらびとたちは、金[かな]霊[だま]と金[かね]玉[だま]の恩恵おんけいに感謝かんしゃし、これからも正ただしい心*[こころ]を大たい切せつにすることを誓ちかいました。