生霊
一般
伝統妖怪

生霊

いきりょう

又称・別名

いきりょう
しょうりょう
せいれい
いきすだま

性格

執着が強く、感情に引かれて動くが、自意識は朧ろ

カテゴリ

霊・付喪

起源

日本各地

基本説明

生霊は、生きている人の魂が身体を離れてさまよう在り様を指す。強い怨みや恋慕、臨終間際の想いなどが契機となり、対象へ憑依して病や災いをもたらすと信じられた。平安期の貴族社会から近世の庶民信仰まで幅広く記録があり、自我の影身・影法師として現れる場合もある。意図せず離れる形のほか、呪詛により意識的に遣わす例も語られる。

民話・伝承

『源氏物語』では六条御息所の生霊が葵上を悩ませ、『葵上』として能にも翻案された。『今昔物語集』には近江の妻の生霊が都へ現れ、恨みの相手を病に陥れる話が見える。各地では臨終間際の魂が逢瀬や礼参りに赴くとされ、津軽の「あま人」、秋田の「飛びだまし」「オモカゲ」、遠野の「オマク」、能登の「シニンボウ」などの呼称が伝わる。江戸期には離魂病・影の病として恐れられた。

徹底解説

生霊 生霊(伝統版)

生霊の像は、怨恨による祟りと、臨終前の別れや礼参りといった穏やかな出現の二面を併せ持つ。平安の物怪観では、思いの強さが身を離れて「影」となり、寝所や輿車、門前に現れると考えられた。中世・近世には、夢中に見た景や、火の玉・抜け首としての目撃譚が離魂の証左とされた。医療観では離魂病・影の病として分類され、自分の分身を見たという証言も残る。呪詛作法の丑の刻参りは、生者が意図して念を遣う行いとしてしばし結び付けて語られるが、必ずしも同一ではない。地域伝承では名称や姿の解釈が異なり、足音を立てる人影として記す土地もある。これらは総じて「思いの凝り」が形を取る現象として把握され、死霊と対置される生者の霊的作用として語り継がれてきた。

性格特徴については、執着が強く、感情に引かれて動くが、自意識は朧ろまた、相性の良い人については、情の深い者・怨念を抱く者に感応しやすい

主な能力・特技としては、対象への憑依・影響(病苦・狂乱・倦怠)、遠隔出現(門前・寝所・道中への姿現し)、夢中出現(夢やうつつに交じる示現)、感応(強い情念に呼応して現れる)などが挙げられます。

一方で弱点もあり、加持祈祷・読経・護符による鎮め, 本人の心念の転換・和解, 守り札・結界による遮断とされています。

主な生息地は宮中・貴族邸の寝所や牛車周辺, 村落の家々・辻・寺社境内, 病床や臨終の場とされています。

下図は生霊(伝統版)の診断評価図です。各項目の値が高いほど、その特性が強く表されていることを示しています。

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