越後の山に現れし異獣
いじゅう
本バージョンは天保期刊『北越雪譜』に記された像に拠る。姿は猿類に近いが人より大きく、長髪が頭頂から背へ流れ、山中の根笹を分けて現れる。人家を襲う意図は見えず、もっぱら飯を乞い、施しに報い荷を担ぐなどの行為を示す。織の産地である越後縮の生産民俗と関わり深く、機織り娘の逸話では、家内の作業規範や穢れ観念の只中に介在し、結果として期日に間に合わせる転機をもたらす。これは山の霊的存在が人の営為を眺め、取引や生産の循環に調和を作ると受けとめられた類型で、山神・山の客人への供食の慣習とも通じる。以後もしばしば目撃されたとされるが、時とともに山に帰し、名のみ伝わる。不詳の獣でありながら、害をなさず恩を返す点で、怪異と福の境に立つ存在として地域の口伝に残る。
温和で用心深いが恩を忘れず、人の労を助ける
食を惜しまず与える者と相和す。粗暴・嘲弄を嫌う
評価スコアと信頼度を可視化
詳しい相性診断は下記のテストで確認できます
喜びと楽しさの程度
📝 メモ:
喜びを示す描写は乏しい。恩返し行為はあるが感情表現としての歓喜は不明。
怒りの激しさの程度
📝 メモ:
粗暴や追い立てを嫌うが怒り・攻撃の記述はない。
慈悲深さの程度
📝 メモ:
施しに応じて恩返しを行い、人の困窮を和らげる行動が複数記録。
憂鬱で思慮深い程度
📝 メモ:
憂い深さの描写はない。山に帰る余韻はあるが性向としての憂鬱性は弱い。
内なる平静の程度
📝 メモ:
静かに現れて食を乞い、騒がず働きを助けて去る。内面的な平静さを感じさせる。
いたずら好きで活発な程度
📝 メモ:
いたずらの要素は見られず、行動は実務的で慎み深い。
やさしく親しみやすい程度
📝 メモ:
施しに報い荷運びを買って出るなど温和で友好的。人を害さず、用心深いが恩を忘れない性格が明記。
厳格で真面目な程度
📝 メモ:
明確な規範性は示されないが、恩に報いる応報的な振る舞いと穢れ観念への配慮から中程度に評価。
他者を守る傾向
📝 メモ:
直接守護する描写は少ないが、荷運びや仕事の不調の解消など結果的に人を助け守る側面がある。
神秘的で不思議な程度
📝 メモ:
正体不明の山の客人として語られ、『猿に似て猿に非ず』とされる。現れては消える行動や加護的効果も神秘性を高める。
精神的境界の深さ
📝 メモ:
山神・客人信仰や供食慣習と通じる媒介的存在として地域民俗に根ざし、霊的含意が濃い。
詳細不明, 人の粗暴や追い立てには近づかない
異獣と性格や特徴が似ている妖怪たち
💡 相性度は性格や特徴の類似性に基づいて計算されています