本バージョンは天保期刊『北越雪譜』に記された像に拠る。姿は猿類に近いが人より大きく、長髪が頭頂から背へ流れ、山中の根笹を分けて現れる。人家を襲う意図は見えず、もっぱら飯を乞い、施しに報い荷を担ぐなどの行為を示す。織の産地である越後縮の生産民俗と関わり深く、機織り娘の逸話では、家内の作業規範や穢れ観念の只中に介在し、結果として期日に間に合わせる転機をもたらす。これは山の霊的存在が人の営為を眺め、取引や生産の循環に調和を作ると受けとめられた類型で、山神・山の客人への供食の慣習とも通じる。以後もしばしば目撃されたとされるが、時とともに山に帰し、名のみ伝わる。不詳の獣でありながら、害をなさず恩を返す点で、怪異と福の境に立つ存在として地域の口伝に残る。
性格特徴については、温和で用心深いが恩を忘れず、人の労を助けるまた、相性の良い人については、食を惜しまず与える者と相和す。粗暴・嘲弄を嫌う
主な能力・特技としては、重荷の運搬、俊敏な移動(疾風のごとき速さ)、人意を解するかの如き振る舞い、食物への執心に伴う加護的報いなどが挙げられます。
一方で弱点もあり、詳細不明, 人の粗暴や追い立てには近づかないとされています。
主な生息地は越後国魚沼郡の山間, 根笹の繁る谷間, 池谷村周辺の人里はずれとされています。
下図は異獣(北越雪譜伝)の診断評価図です。各項目の値が高いほど、その特性が強く表されていることを示しています。
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