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異獣

いじゅう

異獣

異獣

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基本説明

江戸後期、越後国魚沼郡の山間に出没したと記録される怪しき獣。『北越雪譜』第2編巻4に「猿に似て猿に非ず」と記され、頭髪は長く背に垂れ、背丈は人より大きい。人を害すよりは食を乞い、時に荷を運ぶなど人の働きを助けたと伝わる。正体は明かでなく、山の精か稀なる獣の類と見なされ、織物産地の口碑にしばしば語られる。

民話・伝承

鈴木牧之『北越雪譜』によれば、魚沼郡の問屋に仕える竹助が山中で休む折、異獣が現れて食をねだった。竹助が飯を分けると、獣は大荷を自ら背負い先導し、池谷村近くで荷を置いて山に消えた。また池谷の機織り娘の家にも度々姿を見せ、握り飯を乞うた。急の注文で娘が難儀した折、獣の出現後に不調が収まり、仕事を果たせたという。不詳の力を帯び、人に恩恵を与える存在として語られる。

徹底解説

本バージョンは天保期刊『北越雪譜』に記された像に拠る。姿は猿類に近いが人より大きく、長髪が頭頂から背へ流れ、山中の根笹を分けて現れる。人家を襲う意図は見えず、もっぱら飯を乞い、施しに報い荷を担ぐなどの行為を示す。織の産地である越後縮の生産民俗と関わり深く、機織り娘の逸話では、家内の作業規範や穢れ観念の只中に介在し、結果として期日に間に合わせる転機をもたらす。これは山の霊的存在が人の営為を眺め、取引や生産の循環に調和を作ると受けとめられた類型で、山神・山の客人への供食の慣習とも通じる。以後もしばしば目撃されたとされるが、時とともに山に帰し、名のみ伝わる。不詳の獣でありながら、害をなさず恩を返す点で、怪異と福の境に立つ存在として地域の口伝に残る。

妖怪設定

この区画は物語を楽しむための当サイト独自の設定です。史実・考証ではありません。

妖怪タイプ
伝統妖怪
カテゴリ
動物変化
レアリティ
珍しい
性格
温和で用心深いが恩を忘れず、人の労を助ける
相性
食を惜しまず与える者と相和す。粗暴・嘲弄を嫌う
能力・特技
重荷の運搬俊敏な移動(疾風のごとき速さ)人意を解するかの如き振る舞い食物への執心に伴う加護的報い
弱点
詳細不明, 人の粗暴や追い立てには近づかない
生息地
越後国魚沼郡の山間, 根笹の繁る谷間, 池谷村周辺の人里はずれ

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