はしひめ
宇治川の宇治橋に結びつく在地神格としての橋姫像と、中世軍記・能に展開した嫉妬の鬼女譚を統合的に示す版。前者は橋の袂で水神・土地神として祀られ、渡河と往来の無事を守護する。橋上では他所を称える言葉や嫉妬を喚ぶ謡を忌むという伝承があり、在地神が他域の噂を嫌うという通念に即する。後者では、女が貴船に詣で宇治川で禊ぎのような行を経て鬼形となり、一条戻橋で武士に遭遇する筋が広く知られる。鳥山石燕は宇治橋の社を注記し、能『鉄輪』は鉄輪を戴く鬼女の相貌を定着させた。民俗的には橋が境(はざま)の場であること、水の神格と女性神観、嫉妬の情念を戒める教訓が重ねられ、祭祀と物語の二面性が長く併存してきた。創作色の濃い細部は異本により異なるが、宇治橋への信仰と戻橋の遭遇譚、禁忌と守護の両義性が核である。
嫉恨を抱きやすいが、境域を守る面を併せ持つ
橋の禁忌を守る者と良し、他所を軽んずる者と相剋
評価スコアと信頼度を可視化
詳しい相性診断は下記のテストで確認できます
禁忌を侵さぬ敬虔な作法, 読誦・祈祷による鎮め(仁王経などと伝える系統), 在地神への供饌・和解の祭礼