般若
一般
伝統妖怪

般若

はんにゃ

性格

嫉恨深いが内には哀情を宿す

カテゴリ

鬼・怨霊

起源

京都府・奈良県ほか

基本説明

般若は女性の強い嫉妬や怨みが鬼形へ転じた姿を示す名で、能面「般若」によって広く知られる。額の角、裂けた口、金属光沢の面相が特徴とされ、哀しみと怒りが同居する相貌を持つ。能や説話では、生前の情念が成仏を妨げ、人を悩ます存在として語られるが、祈祷や回向によって鎮められるとされる。

民話・伝承

能「道成寺」「葵上」などで嫉妬に狂った女が鬼となり、恋敵や僧を害そうとするが、読経・祈祷により退散・成仏する筋が典型。寺社縁起や説教節でも、執心が鬼形を生むという教訓が強調される。面は怨念のみならず、内に潜む哀切を表すと解され、上演では照明と角度により悲と怒の相を映し分ける。

徹底解説

般若 伝統面の般若

能・狂言の面相に定着した般若像は、平安以降の怨霊思想と中世の芸能美学が交差して成立した。角と牙、吊り上がる双眸は猛りを示す一方、口元や頬の陰影は悲嘆を帯び、舞台では角度により表情が変化して見える。説話では、執着に囚われた女が鬼となり、寺院での法会や読経によって解き放たれる筋が反復され、情念が形を得るという観念が強調される。地域固有の名指しは必ずしも一定せず、寺社縁起や能本の中で役柄として現れるのが通例である。仏教語の「般若(智慧)」とは語形が同一でも意味・由来を異にし、舞台では専ら鬼相を指す語として用いられる。面の色調は白・赤・黒など段階があり、執心の深まりを表す運用が見られるが、細部は流派により異同がある。

性格特徴については、嫉恨深いが内には哀情を宿すまた、相性の良い人については、情に訴える祈祷・回向・和歌供養と相克

主な能力・特技としては、嫉妬心に呼応して鬼形へ変じる、怨念による祟り・迷わせ、火難・水難をもたらすとされる表象的力、声や姿を変えて惑わすなどが挙げられます。

一方で弱点もあり、読経・祈祷・法会, 加持による結界, 故人や当人への回向・懺悔, 時間の経過とともに執念が薄れるとされています。

主な生息地は社寺縁起に登場する舞台, 能舞台, 古寺の伝承地とされています。

下図は伝統面の般若の診断評価図です。各項目の値が高いほど、その特性が強く表されていることを示しています。

伝統面の般若についてさらに詳しい情報や診断結果については、こちらをご覧ください。

このタイプの妖怪に興味がある?

妖怪診断で、あなたの性格に最も近い妖怪を発見しましょう

読み込み中...