がしゃどくろのひみつ

はじまり

むかしむかし、ある村*[むら]に怖こわいと噂うわさされる妖怪ようかいが居いました。それが、夜よるになると現あらわれるがしゃどくろでした。

村むらの人々ひとびとは、この妖怪ようかいを見みたら逃にげるようにと子供こどもたちに教おしえていました。

ある日ひのできごと

• 夜よに村むらの若[わか]者[もの]が迷まよい込こんでしまいました
• 音おとが聞きこえてくると、若者わかものは振ふり返かえりました
• そこに、がしゃどくろ*が立たっていたのです！

大だい活やく

若者わかものは逃にげようとしましたが、がしゃどくろは何なにかを訴うったえるように見みえました。勇気ゆうきを出だして近ちかづくと、がしゃどくろは優やさしい声こえで話はなしかけてきました。

「実じつは、私はずっと助たすけを求もとめていました。私わたしは飢うええや戦せん争そうで苦くるしんで亡なくなった者ものたちの怨おん念ねんが集あつまってできたのです。」

若者わかものは心こころを痛いため、この妖怪ようかいのために村むらで供養くようすることにしました。すると、がしゃどくろは笑顔えがおを見みせ、そのまま静しずかに消きえていきました。

結けつ末まつ

村むらの人々ひとびとは、がしゃどくろが現あらわれなくなったことを喜よろこび、若者わかものの勇気ゆうきを称たたえました。それからというもの、村むらは平和へいわに暮くらせるようになりました。