伝承標準譚についてさらに詳しい情報や診断結果については、こちらをご覧ください。
元興寺の鬼
がんごうじのおに
カテゴリ
霊・亡霊
性格
起源
大和国(現・奈良県)
元興寺の鬼
がんごうじのおに
基本説明
元興寺の鬼は、奈良の元興寺に現れたと伝えられる霊鬼。鐘楼の童子が相次いで変死した折、怪力の童子が待ち受けて髪を掴み、夜明けまで引きずり回したという。血の跡を辿ると、かつて寺に勤めた素行不良の下男の墓に至り、その死霊が鬼となっていたことが判明した。抜き取られた髪は寺の宝とされた。古書や妖怪画では僧形の鬼として描かれる。
民話・伝承
『日本霊異記』や『本朝文粋』に類話が見え、鳥山石燕『画図百鬼夜行』にも図像がある。敏達天皇の頃、尾張で雷が童子に化し、助命の返礼として怪力の子が授かる。のちその子は元興寺の童子となり、鐘楼に出る鬼の髪を掴んで退治。夜明けに鬼は敗走し、跡は寺の下男の墓へ続いたという。鬼髪は宝物とされ、童子は後に出家して道場法師となった。