襟立衣
一般
伝統妖怪

襟立衣

えりたてごろも

性格

寡黙で威圧的

カテゴリ

付喪神

起源

不詳

基本説明

襟立衣は、僧が着用する襟の高い衣が年を経て妖となったものとされ、鳥山石燕『百器徒然袋』に図像が見られる。前に柄香炉を置き数珠を手に、立てるはずの襟が面部に垂れくちばし状となる姿で描かれる。石燕は「鞍馬山の僧正坊の襟立衣なるべし」と記し、天狗ゆかりの僧衣が精を得たものとの示唆を残すが、具体の事跡や語りは多く伝わらない。

民話・伝承

近世の絵巻・画集における付喪神譚の一型として位置づけられ、古びた法衣があやしをなす例に比定される。石燕は由来を鞍馬山の大天狗・僧正坊に仄めかすが、確証的な伝承は示さない。修験・山伏の装束が霊威を帯びる観念や、道具が百年を経て妖となる観念と接続して理解され、地域固有の昔話よりも版本・絵画資料の影響が強いとされる。

徹底解説

襟立衣 石燕図像準拠

鳥山石燕『百器徒然袋』の意匠を基調とした再現版。僧衣はくすんだ褐色で重ねが厚く、襟は面前に垂れて嘴めく影をつくる。手には数珠を取り、前には香を焚く具を据える。動作は緩やかで、歩むたび衣擦れが鳴り、香の匂いが淡く漂う。天狗に結びつく示唆は図像の文言にとどまり、直接的な翼や長鼻といった特徴は持たない。付喪神としての自立性を保ち、破れや継ぎ目にも意志が宿ると受け取られる。信仰具への礼を失した場所には現れず、粗略に扱われた法衣や道具の近くで兆しを示すとされるが、害をなすというより畏れを促す存在として理解される。

性格特徴については、寡黙で威圧的また、相性の良い人については、法具や聖なる火を尊ぶ者と相性がよい

主な能力・特技としては、香煙に紛れて姿をぼかす、衣擦れの音で周囲の注意を惹く、数珠を鳴らし場を鎮めるなどが挙げられます。

一方で弱点もあり、火勢の強い炎に近づくことを嫌う, 礼を尽くした僧の読誦には逆らわないとされています。

主な生息地は堂塔の納所, 山中の修行場, 古寺の衣棚とされています。

下図は石燕図像準拠の診断評価図です。各項目の値が高いほど、その特性が強く表されていることを示しています。

石燕図像準拠についてさらに詳しい情報や診断結果については、こちらをご覧ください。

このタイプの妖怪に興味がある?

妖怪診断で、あなたの性格に最も近い妖怪を発見しましょう

読み込み中...