石燕本の図像・詞書を手掛かりに、器物付喪神としての性格を前面に置く解釈。猪口を被る虚無僧風の小鬼が箱から現れる点は、長年使われた酒器や道具に霊性が宿り、一定の時期に姿を現すという付喪神観に即する。詞書が引く玄宗・墨の精の故事は、書画・文房具・酒器といった器物群に霊が立つという観念の補強として機能し、猪口暮露はその一類として絵画的に構成されたとみられる。虚無僧や暮露の宗教的実体を直接指すのではなく、半僧半俗の外見的徴を借りた戯画的表現で、名前は洒落と連想に拠る。伝承地の特定はできず、江戸の版本文化における図像的怪としての性格が強い。
性格特徴については、寡黙で群れやすいまた、相性の良い人については、器物・僧形意匠との連関が強い
主な能力・特技としては、器物に宿る霊性の顕現、群れて現れる、人に害なすよりも驚かせ惑わすなどが挙げられます。
一方で弱点もあり、由来の器物が失われると勢いを失う, 読経や清めにより散ずるとされるとされています。
主な生息地は版本挿絵の世界, 長く用いられた酒器の周辺, 箱や厨子の内部とされています。
下図は伝統図像準拠の診断評価図です。各項目の値が高いほど、その特性が強く表されていることを示しています。
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