猪口暮露
一般
伝統妖怪

猪口暮露

ちょくぼろん

性格

寡黙で群れやすい

カテゴリ

付喪神

起源

江戸

基本説明

鳥山石燕『百器徒然袋』に描かれた妖怪。猪口を頭にのせた虚無僧風の小鬼が箱から現れる図で知られ、解説では唐の玄宗の前に現れた墨の精の逸話を引き、同類の怪と示唆される。名の「暮露」は禅宗系の托鉢僧の呼称と虚無僧風姿、酒器の猪口を掛け合わせた語遊び的造形と解され、半僧半俗像の連想が強い。

民話・伝承

固有の在地伝承は乏しく、主に絵画資料を通じて知られる。石燕は唐代の玄宗にまつわる夢中の怪や、墨の精の故事を参照し、器物に霊が宿る付喪神観を重ねたと読まれる。虚無僧・暮露の姿態との混同が指摘されるが、名称は連想と洒落に基づくもので、特定地域の口承や怪異譚は確認されない。

徹底解説

猪口暮露 伝統図像準拠

石燕本の図像・詞書を手掛かりに、器物付喪神としての性格を前面に置く解釈。猪口を被る虚無僧風の小鬼が箱から現れる点は、長年使われた酒器や道具に霊性が宿り、一定の時期に姿を現すという付喪神観に即する。詞書が引く玄宗・墨の精の故事は、書画・文房具・酒器といった器物群に霊が立つという観念の補強として機能し、猪口暮露はその一類として絵画的に構成されたとみられる。虚無僧や暮露の宗教的実体を直接指すのではなく、半僧半俗の外見的徴を借りた戯画的表現で、名前は洒落と連想に拠る。伝承地の特定はできず、江戸の版本文化における図像的怪としての性格が強い。

性格特徴については、寡黙で群れやすいまた、相性の良い人については、器物・僧形意匠との連関が強い

主な能力・特技としては、器物に宿る霊性の顕現、群れて現れる、人に害なすよりも驚かせ惑わすなどが挙げられます。

一方で弱点もあり、由来の器物が失われると勢いを失う, 読経や清めにより散ずるとされるとされています。

主な生息地は版本挿絵の世界, 長く用いられた酒器の周辺, 箱や厨子の内部とされています。

下図は伝統図像準拠の診断評価図です。各項目の値が高いほど、その特性が強く表されていることを示しています。

伝統図像準拠についてさらに詳しい情報や診断結果については、こちらをご覧ください。

このタイプの妖怪に興味がある?

妖怪診断で、あなたの性格に最も近い妖怪を発見しましょう

読み込み中...