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塵塚怪王
ちりづかかいおう
カテゴリ
付喪神・骸怪
性格
起源
不詳
塵塚怪王
ちりづかかいおう
基本説明
鳥山石燕の画集『百器徒然袋』に描かれた妖怪。唐櫃をこじ開ける怪鬼として表され、『百鬼夜行絵巻』に見られる赤鬼が唐櫃を割る図様や、『徒然草』第七十二段の「塵塚」の語句を典拠に、石燕が意匠化した作とされる。山姥との関連を示す注記はあるが、直接の伝承や物語は確認されず、性格や由来は明確でない。後世には塵や廃物の長と解釈されることがある。
民話・伝承
中世以来の『百鬼夜行絵巻』に見える唐櫃をこじ開ける赤鬼の図が先行例とされ、石燕はそれを踏まえ『百器徒然袋』で塵塚怪王として描いたと考えられる。『徒然草』「塵塚」の語や能『山姥』の詞章が参照されるが、塵塚怪王そのものに関する口承・地誌の伝承は知られない。近代以降の摸写作例が複数確認され、名称と図像が流布した。