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天井下り
てんじょうくだり
又称・別名
天井下(てんじょうくだり)
天井下がり(てんじょうさがり)
カテゴリ
住居・器物
性格
起源
江戸
天井下り
てんじょうくだり
基本説明
鳥山石燕の『今昔画図続百鬼』に描かれる家怪で、乱れ髪の醜い老女が天井から逆さにぶら下がる姿で示される。夜更けに天井より現れて人を驚かすが、直接の害は加えぬと解されることが多い。天井という境界から出入りする異界の存在と見る説、また当時の言い回し「天井を見せる」を踏まえた石燕の言葉遊びによる創作とする見解がある。
民話・伝承
成立は絵画資料に基づく観念的怪異とされる。江戸の怪談集には天井裏の怪が旅人を悩ませる話型が見られ、天井からの出現というモチーフが共有される。山梨では夜中に天井から「天吊るし」と呼ばれるものが現れるという民間伝承が記録されるが、危害は特にないとされる。これらはしばしば関連付けられるが、由来や性格は資料により見解が分かれる。