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松明丸
たいまつまる
カテゴリ
山野の怪
性格
起源
不詳
松明丸
たいまつまる
基本説明
松明丸は、鳥山石燕『百器徒然袋』に描かれる火を携えた鳥の妖怪。猛禽の姿で口や爪に炎をまとい、深山の闇に怪光を放つという。石燕は注に「天狗礫の光」と関連づけ、行人の修行を妨げる性と解す。実用の灯りではなく惑乱の火で、夜行する者を迷わせる存在として表象される。史料上の具体的出没地は定かでない。
民話・伝承
作中解説では「天狗礫」の発する光が山中に現ずるとされ、仏家の修行を妨げる怪火として言及される。各地の山岳信仰に見られる怪火・狐火・天狗火の類型に近く、道者を惑わせ道を踏み外させると解釈されるが、特定地域の口承や逸話の細部は伝わらず、古絵巻的図像による観念的記述が中心である。