千疋狼
一般
伝統妖怪

千疋狼

せんびきおおかみ

又称・別名

鍛冶が嬶(かじがかか)
鍛冶が媼(かじがばば)
小池婆(こいけばば)
弥三郎婆(やさぶろうばば)

性格

群れて狡猾、執拗だが規律的

カテゴリ

獣怪・群行伝承

起源

日本各地(四国・出雲・越後など)

基本説明

千疋狼は、夜道で人を追い詰めるオオカミの群れに関する説話類型。被害者は大木に登って難を逃れるが、群れは肩車のように身を重ねて梯子を作り樹上に迫る。届かぬと見るや親玉や異形を呼び寄せ、事態が一転するのが定型である。送り狼と並び狼譚の代表例とされ、各地で細部を異にしつつも「群れの連携」「呼び寄せられる怪」「夜間遭遇」の骨格が共有される。

民話・伝承

土佐の「鍛冶が嬶」では、峠で産気づいた女と飛脚が狼群に追われ、狼が「佐喜浜の鍛冶嬶を呼べ」と叫ぶ。白毛の大狼が鍋を冠して現れるが斬りつけられ退散し、のち家で傷を負った女の正体が怪であったと知れる。出雲の「小池婆」では狼が「小池婆を呼べ」とし、茶釜の蓋を兜とする老猫が現れるが眉間を斬られ、翌朝主家で老猫が発見される。越後弥彦山の「弥三郎婆」では、狼が呼んだ存在の腕を斬り落とすと、家の「母」の肩口が欠けて鬼女の正体が露見するなどの異型がある。

徹底解説

千疋狼 千疋狼(伝統版)

千疋狼の伝統像は、個々の狼ではなく統率の下で動く群れの恐ろしさを描く。語りは夜の峠道で始まり、逃れた人が木に登る。群れは跳躍と連携で高さを稼ぎ、届かぬと親玉や外部の怪(老猫・鬼女・鍛冶嬶)を呼ぶ。呼ばれた存在は家庭内の異形(家人に化けた者)と結び付けられ、翌朝に痕跡(血痕、器の欠落、傷)や供養塔などの形で現実へ接続される。狼の行動は誇張されるが、夜行性と群行の知見に沿う解釈が古くから示され、祈詞・刃物・夜明けが転機となるのも通例である。地域により親玉は白毛の大狼、老猫、鬼女などへ変化し、名称は「鍛冶が嬶」「小池婆」「弥三郎婆」等と呼称が変わるが、樹上逃避と「呼び寄せ」の構図は共通する。民俗的には境界(峠・夜明け前)に潜む災厄と家内に潜む異形の連関を示す譚として語り継がれ、供養塔や地名伝承が付随する事例もある。

性格特徴については、群れて狡猾、執拗だが規律的また、相性の良い人については、夜道・峠・冬季に強く、人里近くでも機会をうかがう

主な能力・特技としては、群れでの連携行動、跳躍と肩車での高所到達の比喩的表現、親玉や異形を呼び寄せる、夜間の追跡と執拗な包囲などが挙げられます。

一方で弱点もあり、刃物での一撃に怯む, 祈詞や夜明けに勢いを失う, 高所へ完全には到達できないとされています。

主な生息地は峠道, 山林の縁, 集落近くの境界とされています。

下図は千疋狼(伝統版)の診断評価図です。各項目の値が高いほど、その特性が強く表されていることを示しています。

千疋狼(伝統版)についてさらに詳しい情報や診断結果については、こちらをご覧ください。

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