鳥山石燕が『礼記』の変化譚を踏まえ、海の貝が鬼的相へ変ずる理を戯画化した作例。人の腕を備え、蓋に眼を持つサザエとして描かれ、実害を加える怪異というより、変身観・物怪観を視覚化する役割が強い。近世の百鬼夜行図における貝類の擬人像とも通じ、海辺の自然物に霊性をみる心性を伝える。後世に流布した艶怪談的エピソードは創作色が濃く、原像からは切り離して理解されるべきである。
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