鉄鼠(頼豪怨霊譚)についてさらに詳しい情報や診断結果については、こちらをご覧ください。
頼豪
らいごう
カテゴリ
霊・亡霊
性格
起源
近江国(園城寺)
頼豪
らいごう
基本説明
平安中期の天台宗僧・頼豪は、修法の験で名高く、白河天皇の皇子誕生を祈願して成就したと伝えられる。のち園城寺の戒壇建立を望むも、延暦寺の強い反対で叶わず、怨みを抱いて断食入定したという。死後、その怨霊が鼠となって経蔵を食い荒らした「鉄鼠」の怪として語られ、『平家物語』『太平記』に記載が見える。歴史的事績と怨霊譚が重なった典型例である。
民話・伝承
『平家物語』『太平記』は、頼豪の死後、怨霊が鼠(鉄鼠)と化し、延暦寺の経典や什物を損なったと伝える。敦文親王の早逝を頼豪の祟りとする俗説もあるが、年代は史実と齟齬があるとされる。園城寺には「ねずみの宮」(十八明神社)、日吉大社には鉄鼠を封じたと伝える鼠社が祀られ、怨霊の鎮めと寺社間抗争の記憶を今に残す。