蟹坊主 退治図
かにぼうず
甲斐国万力の長源寺に伝わる怪蟹の伝承を中核とする像。雲水の装いで夜半に堂宇へ来たり、禅林の語を借りて「横行自在」「両足八足」など蟹をほのめかす語を投げ、相手の応答で力量を計る。正体を見破られぬ間は人の姿を保つが、法具や真言で詰め寄られると甲羅を顕し、二間四方とも四メートル級とも伝える巨体で逃走する。地域には蟹追い坂・蟹沢の地名、爪痕と称する穿孔石、投擲石の伝承が残る。各地の同話型でも、無住の寺・夜更・問答・正体露見・退散(または討伐)の筋立てが共通し、狂言『蟹山伏』の影響が指摘される。信仰的には、退治に用いられた独鈷や鉄扇などの法具、観音への帰依を強調する後日譚が添えられることがあるが、細部は地ごとに異なり一定しない。享保以後に語られた形が現在の骨格とされ、明治の掛軸伝来が物語の定着を裏づける。創作的脚色を除けば、要は「化け蟹が僧を試し、法力に屈す」という教訓譚である。
執拗で狡猾、理に勝って人を挫くことを好むが、正体露見には脆い
学徳ある僧・修験者と相剋、無学な者を侮る
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喜びと楽しさの程度
📝 メモ:
理で人を挫くことを楽しむ描写はあるが、陽性の喜悦は弱い。
怒りの激しさの程度
📝 メモ:
露見・法具で追い詰められると暴れて逃走・討伐に至るため中程度。常時激昂はしない。
慈悲深さの程度
📝 メモ:
相手を挫くことを好む性質で慈悲は乏しいが、即殺に限らず問答で測る余地はある。
憂鬱で思慮深い程度
📝 メモ:
憂いを帯びた動機は示されず、物悲しさの要素は薄い。
内なる平静の程度
📝 メモ:
問答時は沈着だが、露見で崩れる。静けさは限定的。
いたずら好きで活発な程度
📝 メモ:
悪戯的な化かしと言葉遊びの側面があるが、性根は試し・害意寄り。
やさしく親しみやすい程度
📝 メモ:
人を試し命を奪う話型もあり、執拗かつ狡猾。親和性は低い。
厳格で真面目な程度
📝 メモ:
理詰めで詰問し能力を測る態度は厳しさを帯びる。戒律的というより苛烈な試し。
他者を守る傾向
📝 メモ:
守護ではなく挑発・試しが主体。退治譚で人を守るのは人間側。
神秘的で不思議な程度
📝 メモ:
僧に化けて禅問答を仕掛ける変化・夜間出没・各地の類話など神秘性が高い。
精神的境界の深さ
📝 メモ:
禅林語や法具・観音信仰との絡みで宗教的文脈は濃いが、主体の霊性は浅く術的・曲学的。
法具(独鈷・鉄扇など)による一撃, 正体を言い当てられること, 明所での露見
蟹坊主と性格や特徴が似ている妖怪たち
💡 相性度は性格や特徴の類似性に基づいて計算されています