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池袋の女
いけぶくろのおんな
カテゴリ
総称・汎称
性格
起源
武蔵国豊島郡池袋(現・東京都豊島区周辺)
池袋の女
いけぶくろのおんな
基本説明
江戸後期の俗信で、池袋出身の女を他所で雇うと家内に怪音や投石、食器や行灯が飛び交う騒擾が起こるとされた呼称。初出は根岸鎮衛『耳袋』(寛政期)に見え、家人が下女と密通した後に怪異が続き、下女を暇にすると止んだという。池尻・沼袋・目黒など同類の伝承も知られ、産土神の加護やオサキ使いの祟りと結び付けて語られた。
民話・伝承
『耳袋』では幕吏が池袋出の下女と通じたのち、行灯や茶碗・臼が飛び、解雇すると怪が止むとする。『遊歴雑記』では小日向の与力宅で投石・火付けめく怪異が続き、祈祷も効かず、池袋出の下女を暇にして収まったと記す。池尻出女でも同型談があり、産土神が氏子を惜しむため他所での色事に妖怪が現れると説明された。自作自演説や報復説も近世雑書に見られる。