江戸期の版本・浮世絵・口承に現れる典型像を基に整理した化け猫像。年を経た飼い猫、あるいは虐げられた猫が怨霊性を帯びて妖となる。行灯の油を舐める、二足で立つ、人の姿に変じて家に入り込むといった挙動が前兆とされる。祟りの対象は多くが飼い主や加害者で、病や怪死、家運の衰退として現れると語られる。葬送儀礼への干渉や死体への悪戯も型の一つで、僧侶や祈祷で鎮める筋立ても見られる。尾の長短への忌避は近世の俗信に基づき、尾の長い個体が妖力を得ると畏れられた。地域差はあるが、猫又との境は曖昧で、尾の分岐を強調しない語りでは総称的に化け猫とされた。都市部での娯楽作品により怪猫像は洗練され、遊女像と結びついた表象も流布したが、根底には身近な獣への畏怖と報恩・報復観がある。
性格特徴については、執念深く用心深いが、隙を見て人を化かすまた、相性の良い人については、怨みを受けた者に災い、粗略に扱わぬ者には近づかない
主な能力・特技としては、変化(人間姿)、人語を解す、祟り・憑きもの、死者・屍体への干渉、猫踊り(呪能を伴う遊芸)、夜目と跳躍による攪乱などが挙げられます。
一方で弱点もあり、加持祈祷・読経, 刃物・火による退散, 供養と謝罪による鎮めとされています。
主な生息地は人家周辺, 路地や裏庭, 寺社の境内, 山里とされています。
下図は化け猫(伝統譚型)の診断評価図です。各項目の値が高いほど、その特性が強く表されていることを示しています。
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