天邪鬼は、仏教図像における踏み付けられる悪鬼像と、民間での声まね・逆言を好む小鬼像が重なって成立したと理解される。寺社の四天王像・執金剛神像の足下に小鬼が置かれる例は多く、煩悩や邪心の制圧を示す。物語世界では、人心の裏を読み、頼み事に逆らい、命令の反対を実行して混乱を招く役回りが定型化している。一方で山野の説話では巨力をもつ存在として語られ、未完の石積や橋脚跡、山上の転石をその失敗譚に帰す。音の反響を天邪鬼の声とする解釈は、自然現象への擬人化の一例であり、地域により木霊や山彦と名称が交錯する。童話では『うりこ姫』に代表されるように、油断や欲心につけ入る試金石的な敵役として配され、教訓性を担う。総じて、天邪鬼は人の心の隙や逆意を映す存在として、像法・昔話・方言伝承にまたがって生きている。
性格特徴については、ひねくれ・悪戯・反骨また、相性の良い人については、正直者や精進する者を試すが、虚勢や慢心には容赦なく付け入る
主な能力・特技としては、人心を察して逆を突く、声まね・口真似、約定を曲解し混乱を誘う、巨石を運ぶと語られる怪力(地方伝承)などが挙げられます。
一方で弱点もあり、夜明けなど時の制約で業を成し遂げられない, 正直・機転で約束を明文化されると付け入る余地が減るとされています。
主な生息地は山中・谷あい, 寺社の像法に表象, 炉辺・座敷(俗信)とされています。
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