珍しい
伝統妖怪

山本五郎左衛門

やまもとごろうざえもん

カテゴリ
山野の怪
性格
律儀で威厳があり、試練を課すが約定を守る
起源
広島県三次市 (旧備後国三次・稲生物怪録)
  • 三次(広島県 三次市)『稲生物怪録』寛延二年
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子供向け
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お子様にも分かりやすく山本五郎左衛門について説明したページもご用意しています。

基本説明

江戸中期の怪異譚『稲生物怪録』に登場する、妖怪どもを率いる頭領格。寛延2年(1749)、備後国三次の少年稲生平太郎(のちの稲生武太夫)のもとに三十日にわたり怪を仕掛け、最後に四十歳ほどの武士の姿で現れて名乗る。自らを天狗や狐狸の類ではないと述べ、魔王の座を賭けた試みの一環として平太郎の胆力を試したという。諸本で「山ン本五郎左衛門」など名表記に揺れがあり、その正体は定まらない。

民話・伝承

『稲生物怪録』によれば、寛延2年(1749)の七月、三次の稲生平太郎の屋敷に、毎夜さまざまの怪異が三十日にわたって現れた。平太郎が一切動じずに耐えとおすと、晦日の夜、裃姿の武士が現れて山本五郎左衛門と名乗った。

彼は神野悪五郎と魔王の頭領の座を賭けて、度胸ある若者を百人驚かす競べをしており、天竺・唐・日本と渡り歩いて八十六人目に平太郎を選んだが、どうしても驚かせられず、自らの負けを認めたと語る。そして去り際に木槌を授け、以後の加護を約して妖怪たちを引き連れ消えたという。この木槌は広島の國前寺に寺宝として伝わる。

この物語は平田篤胤の翻刻(文化3年=1806)など国学者の関心を集めて諸本が生まれ、名表記や細部に異同を残しながら広く流布した。三次は『稲生物怪録』ゆかりの地として、稲生神社や木槌の碑が知られる。

妖怪カード1

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徹底解説

本版は寛延二年の三次怪異を核とする記録伝を基盤とする。頭領は三十日の怪異の締めくくりに武士姿で名乗り、神野悪五郎との賭けに言及する。自ら天狗や狐狸に非ずと述べる一方、絵画資料では三眼の烏天狗風に表される例があり、表象と本文との間に乖離が見られる。諸写本により名は「山本五郎左衛門」「山ン本五郎左衛門」「山本太郎左衛門」と揺れ、別伝では別の授与品(木槌、あるいは祈祷法の巻)を渡す。三次周辺には勇者試し型の類話が複数伝存し、一定期間の怪異、当主の不動心、頭領の出現と賞詞、去る際の証拠品という配列が共通する。具体の正体や出自は定まらず、魔王格としての統率者像のみが強調される。近世随筆や絵巻の伝本差を踏まえ、固有名や細部は本ごとの異同として扱われるべき存在である。

妖怪設定

この区画は物語を楽しむための当サイト独自の設定です。史実・考証ではありません。

性格
律儀で威厳があり、試練を課すが約定を守る
相性
胆力ある者を好み、無節の者を嫌う
能力・特技
多種多様な妖怪の統率長期にわたる怪異の演出誓約の履行と加護の付与人心の胆力を試す試練
弱点
動じぬ心に対しては効果が薄い, 名乗りと約定に拘束される
生息地
備後国三次周辺, 山野・社寺縁辺

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出典・参考文献

2
  1. 稲生物怪録(柏正甫筆録ほか諸本)((備後三次の怪異譚), 寛延2年 (1749) の事件に基づく) [古典文献]
  2. 稲生物怪録 (平田篤胤翻刻本)平田篤胤((国学者による翻刻・考証), 文化3年 (1806)) [古典文献]

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