基本説明
猫娘は、猫の所作や嗜好を示す女性に与えられた呼称で、近世の見世物記録・実見談・読本などに現れる。妖怪としての固定した像は弱く、奇癖を持つ人や見世物の呼び名として扱われる例が中心である。江戸・上方の見世物、読本『絵本小夜時雨』[1]の奇女譚、雑記類の実録風記事などに名が見えるが、超自然の変化として位置づけられたわけではなく、人の奇行に猫性をなぞらえた呼称と理解される。現代の妖怪キャラクターとしての猫娘像は、これら近世の呼称が後年に再解釈・造形されたものである。
民話・伝承
宝暦・明和期(1751-1771)の江戸・京都・大坂では、猫めいた女を「猫娘」と称して見世物小屋に出した記録があり、明和6年(1769)の浅草の例などが伝わる。享和元年刊の読本『絵本小夜時雨』[1]巻五「阿波国の奇女」には、舌がざらつき男を嘗める奇癖の女が「猫娘」と呼ばれた話が見える。安政期の雑記類には、江戸牛込で魚の臓物や鼠を食し屋根を駆ける少女の実見談が載り、近隣では鼠捕りとして重宝されたとも記される。いずれも人の奇行譚であり、超自然の妖怪譚としての展開には乏しい。
コレクション収録
この妖怪は以下のコレクションに収録されています:
徹底解説
猫娘は近世都市の見世物や実録風記事に現れる人の奇行を指す名称で、猫のような嗜好(魚腸を好む、鼠を追う)、身ごなし(塀や屋根を伝う)、所作(舌のざらつきに喩える)などが語られる。宝暦・明和期には浅草などで見世物として掲げられた例があるが、評判は長続きせず、安永・天明期の流行の只中でも特段大きな演目にはならなかったと伝わる。読本や狂歌本では「猫娘」「舐め女」などの語で奇人譚として描かれ、妖怪の化生とは扱われない。江戸後期の雑記には、牛込辺で鼠を捕って喜ばれた少女の挿話が見え、地域社会における鼠害対処や物見高い風潮、奇異への視線を映す資料として位置づけられる。
妖怪設定
この区画は物語を楽しむための当サイト独自の設定です。史実・考証ではありません。
- 性格
- 人懐こさと警戒心が交錯し、飢えに敏い
- 相性
- 清潔を好む者・鼠害に悩む家とは利が合うが、からかう者とは不和
- 能力・特技
- 身軽に塀や屋根を伝う身のこなし鼠を嗅ぎ分け捕る嗜好と執着魚の頭や内臓などを好む偏食舐め癖に喩えられる粗い舌触りの比喩的描写
- 弱点
- 人目と嘲弄に弱く隠れがち, 強い匂いの煙や香で退くことがある, 規律の厳しい場では振る舞いを抑え込まれる
- 生息地
- 江戸の町場, 上方の見世物小屋, 阿州の富豪屋敷の逸話伝承
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