はじまり

むかしむかし、ある村むらに古ふるい鉄てつの釜かまがありました。

その釜かまは毎まい日にちおいしいご飯はんを炊たいてくれる、大だい切せつなものでした。

ある日ひのできごと

村むらの人ひとたちはある日ひ、夜よるに釜かまが不思議ふしぎな音おとをたてることに気きづきました。

その音おとは、まるで誰だれかが話はなしをしているように聞きこえました。

大だい活かつ躍やく

村むらの子どもたちは、釜かまの音おとを調しらべることにしました。

夜よるがふけると、子どもたちは村むらの長老ちょうろうに聞きき、釜かまの音おとが未来みらいを占うらなうことができることを知しりました。

ある夜よる、釜かまが特とく別べつに高たかい音おとをたてました。

長老ちょうろうは「明日あした、大おおきな喜よろこびが訪おとずれるだろう」と言いいました。

翌日よくじつ、村むらに久ひさしぶりの雨あめが降ふり、大おお地ちは潤うるおいました。

村むらの人ひとたちは大喜おおよろこびし、釜かまに感謝かんしゃしました。

結けつ末まつ

それ以来いらい、村むらの人ひとたちは釜かまを大だい切せつにし、鳴なり釜がまの音おとを楽たのしみにしました。釜かまの音おとは、村むらの未来みらいを明あかるくする力ちからを持もっていたのです。