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見越入道(みこしにゅうどう)

基本説明

夜道や坂の突き当たり、四つ辻、石橋、木の上などに現れる入道姿の怪異。見上げれば見上げるほど巨大化し、恐れに囚われた者を脅かす。対処は「見越した」「見抜いた」と唱える、あるいは落ち着いて頭から足へと見下ろすなどが知られる。正体は一定せず、『宿直草』ではタヌキの変化、福島県南会津郡檜枝岐村ではイタチ、信濃ではムジナとするなど、地域によって動物の化生説が伝わる[3]。『宿直草』『煙霞綺談』『古今百物語評判』など江戸期の怪談・随筆にも見える著名な類型で、緋衣をまとい一丈に及ぶ姿を語る『煙霞綺談』のように大入道と重なる記述も多く、地方では両者を混同して伝える

民話・伝承

夜道で入道が忽然と現れ、上へ上へと伸び上がる。見上げ続けると倒れ、喉を噛まれる、踏み越されると命を落とすとも語られる。合言葉を唱えると消える例が多く、壱岐では笹を揺らす「わらわら」という音の直後に「見越し入道見抜いた」と唱えれば退散し、岡山県小田郡では頭から足へと見下ろせば難を避けるが、逆に足から頭へ見上げると食い殺されるという。静岡県では差金で丈を測ろうとすると消え、神奈川県では度胸を据えて煙草を吸えば去ったとの伝えもある。愛媛では「伸び上がり」、新潟佐渡では「見上入道」、広島・山口では「次第高」と、同類の怪が各地で別名をもって語られた[1]

妖怪カード2

見越入道 を様々な画風のカードで

カード一覧

徹底解説

江戸期の随筆・怪談に見える型で、夜道に大入道が立ちはだかり、見上げる者の心胆を寒からしめる。地方によっては熱病や不慮の死をもたらす疫神視が付随し、踏み越されることを忌む。正体は明示されないが、変化の動物や器物怪の仮の姿と捉えられることもある。退散法は名指しの言、見下ろしの作法、丈を量る仕草など、恐怖に呑まれぬ振る舞いが鍵とされる。

妖怪設定

この区画は物語を楽しむための当サイト独自の設定です。史実・考証ではありません。

妖怪タイプ
伝統妖怪
カテゴリ
鬼・巨怪
レアリティ
名妖
性格
寡黙で威圧的、通行人を試すように振る舞う
相性
肝の据わった者・機転の利く者と相性良、臆病者と相性悪
能力・特技
視線に応じて巨大化する幻惑通行人の平衡感覚と胆力を試す威圧病をもたらすとされる凶兆性(地域伝承)物陰や辻での突然出現
弱点
「見越した」「見抜いた」と名指しされる, 見下ろされること, 丈を測られるふるまい, 平然と振る舞われる
生息地
四つ辻, 坂の突き当たり, 石橋, 林中の小径, 木の上, 厠(混同説のある地域伝承)

出典・参考文献

4
  1. 綜合日本民俗語彙 [古典文献] 参考資料
  2. 荻田安静『宿直草』巻二第一「急なるときも思案あるべき事」荻田安静(京都・西村九郎右衛門刊/富山大学ヘルン文庫所蔵, 延宝5年(1677)) [古典籍・一次資料] 参考資料巻二第一の該当話で、子を抱く女、天井裏へ逃げる動き、刀傷を負った女郎蜘蛛、人を食った痕跡を確認できる。二尺は蜘蛛全体ではなく爪先の長さを述べる。
  3. 妖怪事典村上健司(毎日新聞社, 2000) [研究書] 参考資料
  4. 煙霞綺談西村白烏((江戸中期の随筆・奇談集), 明和7年(1770年)) [古典文献]

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